離婚をしたいと考えたとき、まず心配になるのは離婚後の生活ではないでしょうか?
特に、お金の問題は離婚を考えるにあたり、じっくり検討すべき大切な問題です。
ここでは、離婚に際して損をしないよう、詳しい知識を身に付けましょう。
離婚の際に考えるべきお金の問題
離婚の際に考えるべきお金の問題は、大きく分けて婚姻費用、慰謝料、財産分与、養育費、年金分割の5つがあります。
①婚姻費用・・結婚生活をするうえで必要なお金のこと
※婚姻費用は、同居・別居に関係なく請求できるお金ですが、主に別居している時に問題となります。たとえば、無収入の妻が勝手に家を出ていった場合にも、夫は請求に応じて婚姻費用を負担しなければなりません。
②慰謝料・・・相手から受けた精神的・肉体的苦痛に対する損害賠償金、3年で時効
③財産分与・・夫婦の協力で得た財産の分配、2年で時効
④養育費・・・未成年の子供が成長するために必要な諸費用、時効なし
⑤年金分割・・将来受け取る予定の厚生年金の権利を分割できる制度
お金の問題について十分に話し合わないまま離婚してしまうと、後悔することが少なくありません。
どのように分けるのか、どのように引き渡しするのかをしっかり決めておくことが重要です。
離婚後の厳しい現実
離婚後の生活をより良いものにするためには、離婚する際、お金の問題をクリアすることが大切です。離婚後、長期にわたり支払われるお金の代表的なものに、養育費があります。
例えば、3歳のお子さまを引き取って離婚するケースを見てみましょう。
養育費を月額 5万円ずつ成人するまでと決めた場合
養育費の総額・・・1,020万円
養育費を払ってもらわないと、1,000万円以上損することになります。
離婚後の生活やお子さまの将来を考えると、きちんと受け取りたい金額です。
では、離婚による母子家庭のうち、どのくらいの方が養育費を受け取っているのでしょうか?
近年、増えてはいるものの、まだ約35% の方しか養育費をきちんと受け取っていません。
驚くことに、養育費を一度も受け取ったことのない方は、約59% もいます。
(厚生労働省 平成23年全国母子世帯等調査)
お子様の将来のため、総額 1,000万円以上にもなる養育費を受け取るためには、離婚前にしっかりとした対策をとる必要があります。
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厚生労働省の調査「平成23年度全国母子世帯等調査結果報告」から【参考資料】
<母子世帯での母の養育費の取り決め状況>
養育費の取り決めをしている・・・・・・・37.7%
養育費の取り決めをしていない・・・・・・60.1%
不詳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.2%<養育費の取り決めについての文書作成>
文書あり・・・・70.7%
文書なし・・・・27.7%
不詳・・・・・・・1.6%<「協議離婚」「調停・裁判離婚等」別の養育費の取り決め状況>
「協議離婚」
養育費の取り決めをしている・・・30.3%(していない67.5%)「調停・裁判離婚等」
養育費の取り決めをしている・・・74.8%(していない23.9%)<養育費を取り決めしていない理由>
相手に支払う意思や能力がないと思った・・・・48.6%
相手と関わりたくない・・・・・・・・・・・・23.1%
交渉がまとまらなかった・・・・・・・・・・・・8.0%
交渉がわずらわしい・・・・・・・・・・・・・・4.6%
請求できるとは思わなかった・・・・・・・・・・3.1%
そのほか<養育費の受給状況(協議離婚)>
現在も受けている・・・・・・・・・・・・・・16.2%
過去に受けたことがある・・・・・・・・・・・13.7%
受けたことがない・・・・・・・・・・・・・・66.7%
不詳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.3%<養育費の受給状況(調停・裁判離婚等)>
現在も受けている・・・・・・・・・・・・・・37.2%
過去に受けたことがある・・・・・・・・・・・26.1%
受けたことがない・・・・・・・・・・・・・・31.0%
不詳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.8%
文書を作成するのが有利
早く離婚したいという一心で慰謝料や養育費について何も決めずに離婚した方は、金銭面で不利になるケースが多く見られます。
養育費であれば、お金を受け取る側は離婚後の生活の基礎となる大切なものであることから、約束どおりに支払いが行われないと毎日の生活に支障が出てくるなど離婚後の生活設計が狂ってしまうことになります。
このように、養育費が継続して支払われない原因の1つとして、養育費の約束がしっかりと行われていないことがあります。
また、約束の内容が曖昧なままであると、約束を守っていないということ自体が相手側に認識されていないこともあります。
さらに、約束があったという認識がない、ということもあります。
一方、約束はしたけれども、口約束のままであると、残念なことに守られなくなることも多く見受けられます。
離婚するときには誓った約束であっても、離婚してから時間が経つと、徐々に約束に対しての意識が薄れていくものです。
双方で約束の内容を明確にしておくためには、一般に書面で確認することが行われます。
このとき、離婚では「離婚協議書」という書面が作成されます。
そして、金銭の支払い約束があるときには、強制力のある書面として「離婚公正証書」で合意内容(約束)を残しておくよう、心掛けましょう。
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